JROSGで実施している臨床研究の解説

胃がんの止血照射に関する複数の病院での観察研究

JROSG17-3 研究へのご参加ありがとうございました。

どんな内容ですか?

進行した胃がんからの出血を抑えるための
放射線治療の効果がどのくらいか
調べる研究です。
出血がひどいと貧血症状が出たり輸血が必要となり
体調に大きく影響します。

どんなことをしたのですか?

胃がんの出血で
放射線治療が必要な患者さん
全国15病院 55人登録 定期的に止血効果を調べる。

放射線治療を行う
55人

2週後
止血されたか
診察する

4週後
止血されたか
診察する

8週後
止血されたか
診察する

診察できたのは

47人 37人 30人

そのうち
止血されたのは

27人 29人 27人

放射線治療前からあらかじめ決められた基準に則りデータを集めました。
症状の程度や輸血量、副作用などについても調べました。
人数がだんだん減っているのは途中で追跡できなくなったからです。
放射線治療の回数は1回、5回、10回が多く使われていました。

全国15病院から登録されました

国立がん研究センター東病院     ひたちなか総合病院
藤枝市立総合病院          東京都立駒込病院
杏林大学              埼玉医科大学総合医療センター
総合南東北病院           兵庫県立がんセンター
熊本大学医学部附属病院       琉球大学
静岡がんセンター          京都医療センター
順天堂大学医学部附属順天堂医院   獨協医科大学埼玉医療センター 聖隷三方原病院

副作用はどうでしたか?

放射線治療の副作用は軽度なものが多く
重篤なものはありませんでした。
グレード3が1例(吐き気)、グレード4以上はありませんでした。
「グレード」は副作用を表す分類で1~5であらわされ、
数字が大きいほど重い副作用を示します。

これによって

胃がんの止血照射がより広く行われると思われます。
治療する前から対象患者さんを登録し、
複数の病院で、
定期的に、診察したデータは世界で初めてになります。
効果が期待できるデータが出たことで徐々に止血照射が普及します。

詳しい情報

Gastric Cancerという英文雑誌にて論文化されました。
https://link.springer.com/article/10.1007/s10120-021-01254-w

ASTROというアメリカの放射線治療学会で発表されました。
https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(21)01137-8/fulltext

この研究データから
症状スコアの時間的変化、予後予測と照射回数の選択、電子カルテデータを用いた止血照射の実態調査、「止血」の標準化などの研究が行われています。

研究代表者  鹿間直人    順天堂大学
事務局    斉藤哲雄    荒尾市民病院
副事務局   小杉 崇    藤枝市立総合病院